Q物価の優等生
A卵の生産は物価の優等生として評価されて来た。 各種ワクチンの製造も鶏卵を使用されることが多く、人の命を数多く救って来た。また人々に潤いをもたらす役目もはたしてくれた。

Qシルキーの赤色冠
Aシルキーやその交配種では親の冠が黒いのに仔の冠は赤くなる場合がある。 普通に考えれば赤い冠は劣性遺伝子によって発現すると考えられるが、性別や劣性白とも関係が有りそうだ。羽色が黒色(E/EまたはE/?)なら黒色だが、劣性白が発現したり黒色以外の羽色になると冠が赤い個体が見られるようになる。 冠が赤いのは雄に多いように見えるが、性別との関係も良く判っていない。

Q冠の遺伝
A冠には単冠(r/r,p/p)、薔薇冠(R/R,p/p)、豆冠(三枚冠)(r/r,P/P)、胡桃冠(R/R,P/P)が有名である。日本鶏で胡桃冠を認められている品種は烏骨鶏と遠州系蓑曳鶏だけである。 実際はR/?,P/?なので仔に単冠や三枚冠、薔薇冠が分離して出てくることもある。 ?はどちらの遺伝子でも良い事を示す。三枚冠は特にバラエティに富み、河内奴鶏のように中央が発達した冠、軍鶏の類に見られる3枚の形にならないものなどがある。 久連子鶏などは三枚冠の遺伝子と恐らくポーッリッシュ(蘭鶏)からの遺伝子によって出来たと考えられる特殊な角条冠をしている。RとP以外にも冠の形を決める遺伝子の存在があるので繁殖の際注意が必要。

Q人工受精のコツ
A人工受精の精液採取のコツだが、先ず雄鶏を捕まえてからなるべく早いうち(短時間で)に採取すること。時間がたつと採取しにくくなるでうまくいかない場合は、しばらく(5分位)休ませて実施するのがコツ。 退化交尾器官がうまく出ない場合は恥骨間を空いている指1本で押すのがコツ。うまくマッサージするのも重要だが、恥骨間を押すことも有効な場合が多い。 つまむのは指先で覚えるしかないが、鶏によって大きく圧迫するか小さく圧迫するか変わって来る。 鶏の支えかたも腕(脇の下)、足の間、地面などいろいろあるが本人がやり易い方法を選ぶ。


Qタイロシンの量
Aタイロシンは飲み水1lあたり0.2〜0.3g溶かして与えるか、 飼料100gあたり(1日量)0.02〜0.03g混ぜて与えれば良い。期間は3日間〜5日間で良い。 もし効果が少ない場合は他の抗生剤との合剤が適当かも知れない。 量のはかり方は1円玉が丁度1gなのでそれを利用する。 紙コップなどで天秤バカリを作ると便利。


Q名称
A「チャボ」という名称は全日鶏などで使われている名称。 「間違った呼び名」はいけないと言う説もある。 「天然記念物に指定されたときの名称が正しい名称だ」という考え方もある。

Q消毒
A石灰(消石灰、生石灰)などは視覚的に目立つので効果があるように見えるが一部の効果。


Q輸送の時期
A農水省のの発表後が適当。変な嫌疑を嫌うならその後が安全。

Q鶏の移動禁止距離
Aニューカッスル病は半径2km 鳥インフルエンザは30Km または5Km。病気の種類状況により変化する。

Q軍鶏の孵化
A軍鶏は羽が硬いので寒波の影響を受けやすいようで繁殖時期は遅い。

Q種卵
A種卵の国内持込は禁じられている。

Q中型の軍鶏に似た品種
A世界的にみて中型の軍鶏に似た鶏はアシール種が有名。軍鶏を改良して自分の好みの型に作り変えている場合もある。アシール種の羽色は日本の油と似ている。 覆輪がはっきり見える。 小型〜中型の鶏。

Q常備薬
Aタイロシン(慢性呼吸器病対策) オシテトラサイクリン(慢性呼吸器病、他) バイチコール(外部寄生虫の対策) ピペラジン(内部寄生虫の対策) サルファ剤(コクシジウム、ロイコチトゾーンの対策)

Qイスカ嘴
A最近「しゃくれ」と呼ばれている奇形は「イスカ嘴」(いすかし)が多い。 烏骨鶏に見られる同様の奇形は「イスカ嘴」ではない可能性もある。「イスカ嘴」はひどくなる一方だが烏骨鶏にみられる奇形は成長するに従い直る場合が有る。 「イスカ嘴」は劣性遺伝子による場合が多く、親は見かけ上正常でも劣性遺伝子が2つ揃えば仔に発現する。

Q慢性呼吸器病
A慢性呼吸器病に罹患する鶏は多い。 症状は出ないで感染する鶏が多いが、冬の寒さなどのストレスが加わると発症することがある。原因となるマイコプラズマはガルセプチカム。 血液を検査してクリーンになるよう努力している所も有る。 種卵を高温処理して対策する場合も有る。 症状 眼に泡状の涙が増える場合がある。鼻腔に鼻水やかさぶた状に詰まる事がある。
Qバレンタインデー
Aこの日は「野鳥が生殖活動を開始する日」。寒い日も有るが日差しはだんだん強くなり、春めいて来る季節。

Q蓑曳鶏の尾
A蓑曳鶏にオナガドリを交配して、尾蓑の改良を図った事があった。 30年程前にも当時最高位になった蓑曳鶏(白色)がオナガドリの交配種だった。この鶏はよく品種のモデルにされていた。 このようにオナガドリが交配されて改良されている場合は結構尾が換羽せず伸びる場合がある。 このように改良された品種に蓑曳矮鶏や東天紅鶏などがある。最も尾羽の付け根を見て「巻」(まき)と呼ばれるストローのような部分が無ければ伸びない。

Q大型鶏の飼料
A大型鶏の飼料は中雛用と大雛用に魚粉添加すれば良い。 巨大軍鶏の場合、食下量は多いので混ぜなくても良い。

Q赤色野鶏
A赤色野鶏はアジアの暖かい地方一体に住む野生の鶏である。 家鶏の先祖と言う意見が多い。秋篠宮殿下がDNAを調べて家鶏の先祖と考えている。 家鶏との交配種には繁殖性がある。 羽色も家鶏の赤笹(e+)と同一である。 但し、雌性羽の家鶏と緑襟野鶏との関係や灰色の羽色(Sによるもの)と灰色野鶏との関係など興味は尽きない。緑襟野鶏との交配種が作られるていることも興味をひく。 体重が雄で900g、雌で700g。 赤色野鶏の冠は切れこみが家鶏と似ている、耳朶は赤または白および中間と個体により変異に富む、脚は灰色である。肉髯は2枚。 冠の色は普通の赤である。 かって「土佐地鶏」が似ていると騒がれたことがあるが、皮膚色や尾羽など異なる点が多い。 世界にはもっと似ている品種が多く存在する。

Q緑襟野鶏
A緑襟野鶏はジャバ島などスンダ諸島に住む野生の鶏である。 「あおえりやけい」と呼ばれる。家鶏または赤色野鶏との交配種が貴ばれ飼育されている。 その音節が短く少ない、特殊な鳴き声を愛でる習慣があるようだ。 展示用の籠も立派である。 交配種は「ブキサール」と呼ばれる場合がある。体重が雄で900g、雌で700g。 緑襟野鶏の冠は単冠で切れこみが無い、耳朶は赤、脚は灰色である。 肉髯は1枚。 雄は冠の色は冠基が青である。

Q灰色野鶏
A灰色野鶏は西南インドに住む野生の鶏である。 「灰色」の羽を持つ。 「灰色」は黒色に白色の覆輪を持つためそう見える。フライフィシングにその羽が使われている。 特に頚羽は先端に蝋状の飾りがあり使う人が多いようだ。 体重が雄で950g、雌で650g。 灰色野鶏の、冠は単冠で切れこみが浅い、耳朶は赤、脚は黄色で中央縦に赤色である。肉髯は2枚。 冠の色は普通の赤。 セイロン野鶏と生息場所が近くその関係に興味が持たれる。 またその色がSによるものか否か興味深い。

Q受精期間
Aペアリングさせて普通は一昨日〜2週間といわれ実用上採取計画に使われる。 可能性としては翌日〜4週間程。系統によっても差が大きく、声良鶏などは受精(交尾または人工授精など)させて1週間程度。 詳しくいうと、交尾した時が調度放卵時に当るとただちに受精して翌日の卵から受精する。そうでなければ、次の日の卵には間に合わず翌々日の卵から受精する。 精子は雌にストックされるのでその後も受精を続ける。 受精が続く期間は系統差が有りますが1〜2週間が多い。なかには4週間続いたという場合もある。 普通2週間程度。 新しい雄の精子に速やかに置き換わることも期待できる。

Qセイロン野鶏
Aセイロン野鶏はセイロン島に住む野生の鶏である。 「赤黄色」の羽を持つ。 「赤黄色」は赤色に黄黒色の縦線と表わされる。体重が雄で930g、雌で550g。 セイロン野鶏の、冠は単冠で切れこみが浅い、耳朶は赤、脚は黄色で中央縦に赤色である。 肉髯は2枚。 冠の中央に黄色の部分がある。

Qその他の地鶏
A現在(2004年)地鶏ブームで色々な「地鶏」が次々に現れて来る。 新しい品種として見とめられるか否かは「努力次第」なのか「運のみ」かは不明。日本では「天然記念物」という概念があるので世界の中では少し変わっている。 外国人は新しい品種に対しておおらかに接して居るように見える。 シルキーなどにもその傾向が見える。日本人は結構うるさく接して居る。 「岩手地鶏」などはその例で最近「天然記念物」の仲間入りを果たしたようであるが、認めていない人も多い。 最初、Mlを持っている個体も存在したので「声良鶏」の雑種と云う人もいた。近頃は「矮鶏の雑種」にみえる鶏を「〜地鶏」として大切に飼養している人もいる。 たとえば私の友人は脚が柳の地鶏(岐阜地鶏)を飼っているが「これを(信州地鶏)として売り出せば面白いね。」と云って笑っている。昔出現したトカラ地鶏や徳地地鶏も今となっては不明である。 まあ、「にわとり」には違いないので愛すれば良いと思う。

Q上州小シャモ
A上州小シャモは群馬県が「吾妻ちゃぼ」の名称で、天然記念物に昭和16年8月1日指定した。現在(2004年)復元中である。 「黒色種」と云われているが羽色がヘテロのものが多く満足な黒一色の個体は少ない。 赤笹(ey)とのヘテロが多く、Mlも持っていないと考えられ、頚羽に黒色以外に着色する個体が多い。脚も「短脚」か否か決めてなく、今後の努力を要する。 一度絶種すると復元に多大な努力を要する。 「南京シャモ」と同様「軍鶏」と「矮鶏」の交配により成立した品種と云う人もいる。天然記念物指定時の名称からして有りそうなことである。 群馬県が原産地である。 上州小シャモの、冠は三枚冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色が多い。 現在復元過程なのでゴツイ顔の鶏が多くみられるが「サンマ顔」(さんまづら)が良いようである。

Q出雲コーチン
A出雲コーチンは天然記念物の指定外である。 「熊本種」と同様、「薄毛猩々」の羽を持つ。体重が雄で3375g、雌で2337gと結構大型鶏である。 「いずもこーちん」と呼ばれる。 「izumo」であり「idumo」ではない。 「コーチン」を「地鶏」と交配し成立した品種と云われている。島根県が原産地である。 出雲コーチンの、冠は単冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色が多い。 羽色は「薄毛猩々種」が標準。 「脚毛」は無い。

Q烏骨鶏の平均余命
A烏骨鶏の平均余命だが普通の鶏(日本鶏)より長く10年程。 種に使う年齢は若ければ若い程良い。昔は机上論で2歳以上などと言う人もいたが、雛の保温が簡単になった今では早いほうが適当。 繁殖年齢自体は6ヶ月〜10年程だが、腹に脂肪が付きすぎないうちが適している。まあ、早いうちが採取しやすい。 遺伝的には早くても全く問題無い。 これは全ての鶏種で共通。 保温にはある程度神経を使う必要が有る。

Qインギー鶏
Aインギー鶏は天然記念物の指定外である。 「鶉矮鶏」とは別の、尾椎はあるが尾羽が退化する遺伝子を持つ。体重が雄で3500g、雌で2800gと結構大型鶏である。 「いんぎーどり」と呼ばれる。 その他単に「いんぎー」とも呼ばれる事がある。 イギリスの船が種子島に難破し、調理用に積んであった鶏が元といわれている。種子島が原産地である。 インギー鶏の、冠は単冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色が多い。 羽色は「黒色種」と「猩々種」が標準だそうだが、ロードアイランドレッドに似た「加比丹猩々種」ではないかと考える。

Qチャーン
Aチャーンは平成3年1月に沖縄県の天然記念物に指定された。 「スミンザン(吸気での発声)」「フチアギ(吹き上げ)」「クイトウミ(声の引き止め)」「チラシ(最後の一声)」の音節を持つと云われている。長鳴鶏とは異なるタイプの声楽鶏である。 「ちゃーん」と呼ばれる。 その他「うたいちゃーん」「うてーどぅい」とも呼ばれる事がある。 中国から渡来した鶏が基になって作られたといわれている。沖縄県が原産地である。 種々雑多な羽装をしている。 この品種は私が学生の頃「本土」に移入された。 卒論で日本鶏のアイソザイムを調査していたが「チャーン」を知らず「地頭鶏」として扱った記憶がある。現在(2004年)は有名になり、「ココ・バレンゲ」のように進化したタイプも見られるようになった。 「ココ・バレンゲ」は「チャーン」のチラシにあたる部分を2〜15回繰り返す。血漿のエステラーゼの型も他の日本鶏と異なる場合がある。 チャーンは毛髯、冠は単冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色が多い。

Q熊本種
A熊本種は天然記念物の指定外である。 「くまもとしゅ」と呼ばれる。 「エーコク」を基にさらにバフコーチン、白色レグホーン、バフプリマスロックを交配して作られたといわれている。熊本県が原産地である。 元は大分県にもいた。 日本鶏には珍しい「薄毛猩々」の羽装をしている。 横斑の遺伝子を持つ(金鈴波)鶏もいるようだ。 私にとってこの品種は懐かしい。岐阜県に住んでいた頃(学生時代)岐阜公園から方々の小学校に寄付されて飼養されていた。 私がアルバイトで宿直していた小学校にもいた。 尾羽に黒が少しあったが懐かしい品種である。「さくら卵」で有名だったがその名は他で使われてしまった。 熊本種の冠は単冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色。 脚毛は無い。 尾羽は褐色で現在(2004年)他の天然記念物の日本鶏に無い薄毛猩々である。

Q地の色
A地の色とは劣性白に隠された色。地の色の上に劣性白が作用して白色に成る。初生羽は生まれたばかりの雛に生えている毛のこと。すぐに羽が生えてきて変わってしまうが地の色を判定する材料になる。

Q土佐九斤
A土佐九斤は天然記念物の指定外である。「とさくきん」と呼ばれる。コーチンがベースである日本の「エーコク」を基に作られたといわれている。高知県が原産地である。猩々の羽装をしている。「標準」では4500gとされているが、現在(2004年)その条件を満たす鶏は少ない。土佐九斤の冠は単冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色。脚毛は無い。

Q三河種
A三河種は天然記念物の指定外である。「みかわしゅ」と呼ばれる。外国種を交配して作られたといわれている。愛知県が原産地である。日本鶏には見ることの出来ない薄毛猩々の羽装をしている。現在(2004年)「薄毛猩々」が乱れている個体が多い。「標準」では尾に黒または白を混じえると失格であるが、条件を満たす鶏は少ないだろう。三河種の冠は単冠、耳朶は白、皮膚色は黄色。

Qポーリッシュとウーダンの違い
Aポーリッシュとウーダンの違いを簡単にいうと脚の指の数である。 ウーダンでは5本が標準。 似た鶏を日本鶏でつくるなら、碁石チャボと烏骨鶏を交配すれば良い。 冠に問題があれば久連子鶏かポーリッシュを使用すれば良い。 鷹脚(たかあし)が必要ならホロゴテかシルキーを交配すれば良い。 一方ポーリッシュは羽色に富んだ鶏である。 冠毛も長いのでシルキーの改良に使われている。

Q烏骨鶏の改良について
A烏骨鶏の品質 烏骨鶏の品質を向上させる目的で白色と黒色の内種間交配を行う。 これは、白色の内種を改良する為である。 白色の内種はバフコーチンから作られたらしく羽色の遺伝子群がc/c,ey/eyの構成が最初の型と思われる。 一方黒色の内種はC/C,E/Eの構成をしていると考えられる。 この両者の交配によりC/c,E/eyの構成になり黒色の強い銀笹または金笹のような羽色になる。 さらにその仔は色々分離して来るがc/c,E/Eまたはc/c,E/eyの構成では日焼けしにくいタイプとなる。 初生羽で見分ける。 劣性白のc/cを持っている場合、初生羽はスモーキーホワイトといって地の色の特徴が出る。 地の色はE/Eの場合は黒色、E/eyの場合は銀笹または金笹。 土佐のオナガドリなどe+を持つ場合では後頭部に黒または褐色の斑紋が現れる。 小軍鶏の白などでも、地の色が黒色(E/E)の場合に日焼けしにくいタイプとなるので喜ばれる。

Q腫瘍について
A鶏痘の可能性がある。 鶏痘はウィルス性でワクチンがある。 ワクチンは事前に健康な鶏に接種するものなので、 発症した場合はウィルスに効果の有る「逆性石鹸」で洗うと良い。 「逆性石鹸」は薬局で簡単に買うことが出来る。 薄めの方法は容器に記載されている。 人間用のポンプ付き容器(シャンプーの容器など)に作って置く。 患部を逆性石鹸で洗ってやると良い。 値段も安いし薬局で手配できる。 穿刺用の針がついていない場合はミシン針を代用すれば良い。 喧嘩などして外傷があると移行しやすくなる。 野外では「蚊」がキャリア。 「電気蚊取り器」で良い。

Q時代と好みについて
A「日本鶏の歴史」に掲載されている赤笹薩摩鶏の写真は、薩摩の歴史を感じさせる。 気性も激しいものが多く、魅力のひとつに上げられる。 昔は、赤笹や五色風なものが多かった。 現在の薩摩鶏は、飼育数も増え、逆に多くのタイプがある。 上品さを追求したタイプ、闘技中心のタイプなどがある。 飼育者の好みや審査員の好みにより時代と共に変わって来る。 薩摩鶏には昔から闘鶏(とどり)と観鶏(みどり)がある。 現在では観鶏が中心に飼養されている。 時代と共に僅かだが変化がある。

Q油雌の羽装について
A油の雌は油の遺伝子群がホモのものとヘテロのもの(eyとのヘテロ)が有る。 ホモの鶏は胸まで2重覆輪が出るが、ヘテロの鶏は胸には2重覆輪は出無い。

Qトリインフルエンザについて
Aいろいろな株のワクチンがもっと増えて欲しいと切望。 野鳥もウィルスのキャリア(運ぶもの)と考えられる。 野鳥は餌があるとすぐ飛来するので、すずめよけに金網をはるのは「鶏の健康の為」有効。 トリインフルエンザは鶏だけでなく、「他の鳥や獣も共通」との考えも有る。 鶏だけでなく、それらにも気をつける。 トリインフルエンザは2004年1月12日に公表された。 病鶏及び同居鶏は全て殺処分された。 近くで飼われている鶏は、移動禁止。

Qシルキーの皮膚色について
Aシルキーを交配した場合、赤色が目立つ場合が多い。 遺伝様式が良く判っていないので研究中。

Q脱肛の治療方法
A脱肛して外に飛び出した場合、脚をひもでしばり逆さに吊って腹圧がかからないよ うにすると治る。 鶏により1時間から半日逆さに吊る場合が有る。 飛び出した患部を僅温湯で洗い消毒する場合が有る。 消毒は抗生剤でも良いし、イソジン消毒液でも良いし、抗生剤いり軟膏(薬局で買える)でも良い。 逆さに吊っても後で脱肛を繰り返してしまう場合、総排泄腔を手術糸で縫う場合が有る。 どうしても脱肛が治らない場合は試してみても良い。

Q名古屋種の特徴
A名古屋種は天然記念物の指定外である。 「なごやしゅ」と呼ばれる。 コーチンに日本の地鶏を交配して作られたといわれている。 愛知県が原産地である。 「名古屋コーチン」と呼ばれる事がある。 「俗称」であるが結構定着している。 「バフ種」が標準とされている。 雌の尾羽は褐色に成る事が多い。 「コーチン」由来である。 脚は鉛色で「地鶏」由来と云われている。 名古屋種の冠は単冠、耳朶は赤、皮膚色は白色、脚色は鉛色が多い。

Q雁鶏の特徴
A雁鶏は天然記念物の指定外である。 「がんどり」と呼ばれる。 匍匐性短脚に特徴が有る。 秋田県が原産地である。 最近(2004年)でも飼育者は1名だけである。 維持するため苦労を重ねていると推察される。 「赤笹種」が標準とされている。 それ以外の羽色も多い。 比内鶏を短脚にした様に見える。 雁鶏の冠は三枚冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色が多い。

Q久連子鶏の特徴
A久連子鶏は昭和40年2月25日に文化財として熊本県の天然記念物に指定された。 「くれこどり」と呼ばれる。 冠に特徴が有り、他の日本鶏に見られない2本の角状冠・鼻腔隆起を有する。 「シャグマ」と呼ばれる被り物の装飾に尾羽が用いられる。 岐阜県の奥飛騨にも似た風習がありその被り物は「シャガマ」と呼ばれ、軍鶏の尾羽が用いられる。 「平家の落人が広めた踊りに用いる」点が一致している。 熊本県が原産地と言われている。 標準では尾羽が60cm以上を希望としているが難しい。 蓑曳鶏や小国鶏などの交配が必要かも知れない。 冠はおそらく蘭鶏と呼ばれたポーリッシュの原鶏と薩摩鶏の原鶏が元になっていると思われる。 三枚冠の遺伝子とポーリッシュの持つ遺伝子が合わさるとこの冠になる。 いずれにしても他の日本鶏には無い形質である。 「銀笹様」が標準とされている。 久連子鶏の冠は角状冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色が多い。 いづれにしても日本では他に類を見ない種なので大切にして行きたい。

Q宮地鶏の特徴
A宮地鶏は天然記念物の指定外である。 「みやじ(ぢ)・どり」と呼ばれる。 作出者の名前をとってこの名前になった。 匍匐性短脚に特徴が有る。 高知県が原産地である。 最近(2004年)原産地でも短脚の鶏は少なくなった。 この品種の特徴でもあるので保存して行きたい。 「黒色種」が標準とされている。 宮地鶏の冠は単冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色が多い。 耳朶は高知県原産の鶏らしく、白の場合もある。

Q金八鶏の特徴
A金八鶏は昭和34年1月7日に秋田県の天然記念物に指定された。 「きんぱどり」と呼ばれる。 丸羽の小型軍鶏で、羽色が黒色の鶏である。 漣(さざなみ)と呼ばれる碁石風の鶏、白色の鶏も居る。 碁石チャボや白色チャボとの関係に興味が引かれる。 最近青森県でも改良を行なう飼育者がいる。 秋田県では「黒色種」が標準とされている。 金八鶏の冠は三枚冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色が多い。 全日鶏では単に「金八」と呼んでいる場合がある。

Q佐渡髯地鶏の特徴
A佐渡髯地鶏は天然記念物指定外である。 「さどひげじ(ぢ)どり」と呼ばれる。 新潟県の佐渡に生息した、現在は各地で飼養される。 髯のある地鶏である。 芝鶏と同様コロンビア斑を持つ。 「猩々種」が標準とされている。 佐渡髯地鶏の冠は単冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色が多い。 大きさは芝鶏と大差ない。

Q芝鶏の特徴
A芝鶏は天然記念物指定外である。 「しばっとり」と呼ばれる。 新潟県下に主に飼養される、羽色がコロンビア斑を持つのが特徴の鶏である。 コロンビア班(Co/Co)以外のEシリーズはe+であると思われるが未定である。 今後の研究が待たれる。 伊勢地鶏に羽色が似ているが両方ともEシリーズは不明である。 「猩々種」が標準とされている。 佐渡の髯地鶏と近縁の種か否か興味が持たれるが双方ともコロンビア班である。 芝鶏の冠は単冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色が多い。 大きさは岐阜地鶏と大差ない。

Q黒柏鶏の特徴
A黒柏鶏は昭和26年6月9日に天然記念物に指定された。 「くろかしわけい」と呼ばれる。 蜀鶏との区別が難しい鶏で、皮膚色が黄色が良い点以外では区別が困難な点が多い。 越後杜氏との関係に興味が持たれる。 最後の国の天然記念物指定鶏である。 最近は唄いの改良を行なう人もいる。 現代の長鳴鶏は20〜30秒鳴いているので追いつくにはかなりの努力が必要。 「黒色種」が標準とされている。 近縁の種で他の羽色の物も存在するが「黒柏鶏」とは呼ばないようである。 黒柏鶏の冠は単冠、耳朶は黒、皮膚色は黄色が多い。 全日鶏では単に「黒柏」と呼んでいる場合がある。

Q地頭鶏の特徴
A地頭鶏は昭和18年8月24日に天然記念物に指定された。 「じとっこ」と呼ばれる。 肉味が良く、古くは地頭に献上された、匍匐性短脚が特徴の品種である。 最初は単冠で無髯の系統が多かったが、現在は三枚冠有髯の系統が多い。 他の短脚種の改良にも使われたようだ。 人気の高い飼育鶏である。 「白色種、黒色種、猩々種、赤笹種、銀笹種」が標準とされている。 現在見られない内種もあるようなので復元が求められる。 短脚が「致死遺伝子」で「優性」のように見えるので改良しやすいだろう。 地頭鶏の冠は三枚冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色が多い。 現在(平成16年)肉質の良い特産地鶏づくりに活用されている。

Q薩摩鶏の特徴
A薩摩鶏は昭和18年8月24日に天然記念物に指定された。 「さつまどり」と呼ばれる。 古くは脚に人工の鉄製のナイフを付け闘鶏に用いられたが、現在は鑑賞用に飼養される場合が多い。 昭和の初期に「絵」にかかれた鶏は「五色」のようである。 雌が悲鳴を上げると敵に敢然と立ち向かう姿は薩摩男児の気概に通ずると云われている。 人気の高い飼育鶏である。 「赤笹種、白笹種、黄笹種、白色種、黒色種」が標準とされている。 黄笹は標準ではeyだが、e+がこの品種には適しているようだ。 薩摩鶏の冠は三枚冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色が多い。 現在(平成16年)、黄笹種や黒色種の改良を熱心に行っている飼育者が存在する。

Q河内奴鶏の特徴
A河内奴鶏は昭和18年8月24日に天然記念物に指定された。 「かわちやっこけい」と呼ばれるが原産地では「こうちやっこけい」と呼ぶ人もいる。 雄の三枚冠が中央だけ大きく伸びているのが特徴である。 作成に外国種のゲームバンタムが使われている。 「絵」にかかれた鶏が基本となった。 羽色は「五色」が基準であるが白笹の変化で変異が多い。 現在、飼育者が少ない。 特殊な冠が特徴だが三枚におそらく単冠が持つ事が多い冠を伸長させる遺伝子が作用していると思われる。 「五色」だけが標準とされている。 全日鶏では単に「河内奴」と呼ぶことがある。

Q烏骨鶏の特徴
A烏骨鶏は昭和17年7月21日に天然記念物に指定された。 「うこっけい」と呼ばれる。 皮膚や冠など黒味が強いのが特徴である。 薬用になるとして飼養される場合がある。 卵と肉が薬用とされる。 また5本〜6本の指を持つ鶏が多く、珍奇に感ずる遺伝子を集積している。 現在、シルキーと交配されて品評会用に使われることが多い。 シルキーはヨーロッパに多く見られる、「中国の烏骨鶏が基となっている」といわれている品種である。 日本鶏に無いラヴェンダーの遺伝子を持つ。 皮膚や冠などが黒色の遺伝子は優性のFmであると考えられている。 ところが、劣性の遺伝子が関与しているようにも見え詳細は不明。 白色(劣性白)か着色かで皮膚色も変わって来る。 「白色、黒色」の2内種が標準とされる考え方もある。 「白色」の地の色(劣性白が作用する前の色)は褐色が多く、着色鶏との交雑の結果「たぬき鶏」と呼ばれる褐色鶏が生まれる。 品評会では劣性白と黒色の交雑鶏から生まれた仔が上位を占める場合が多い。 烏骨鶏の冠は胡桃冠、耳朶は青、皮膚色は黒色が多い。 体型はコーチンのように見える場合がある。

Q比内鶏の特徴
A比内鶏は昭和17年7月21日に天然記念物に指定された。 「ひないどり」と呼ばれる。 肉質が良いのが特徴である。 雉や山鳥のように脂肪が細かいと云われている。 肉は名物料理「キリタンポ鍋」の材料に使われる。 現在、ロードアイランドレッドと交配されて肉用に使われることが多い。 交配していない比内鶏を「原種比内鶏」と呼ぶ人がいるが「俗称」である。 「赤笹種、黄笹種」が標準とされている。 黄笹種は現存しているのを見たことが無い。 Eシリーズがe+の場合とeyの場合があると考えられる。 本当にe+の場合とeyの場合か調査が必要。 おそらく、eyの鶏を黄笹と呼んでいると思われる。 比内鶏の冠は三枚冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色、ももの羽毛は豊富。 体型はブラマから脚毛を取り去ったように見える場合がある。

Q矮鶏の特徴
A矮鶏は昭和16年8月1日に天然記念物に指定された。 小型、短脚そして尾が高く持ちあがっているのが特徴である。 世界中に矮鶏に似たタイプの鶏は少ない。 マレーシアの「Serama」は短脚で無い点を除けば矮鶏に似ている。 但し、この品種は小さいことが特徴であり、恐らく世界で一番小さい品種と思われる。 矮鶏も「一升マスに3羽番」と云われて小型の事が重視された時代もあったが、今は体形、羽色が重視されている。 「白色種、黒色種、真黒種(しんくろしゅ)、黄笹種、浅黄種、薄毛猩々種、桂種、猩々種、加比丹猩々種、碁石種、桜碁石種、三色碁石種、銀鈴波種、金鈴波種、源平種、鞍掛源平種、金笹種、銀笹種、白笹種、赤笹種、黄笹種、糸毛種、翁種、大冠種、達磨種」などが標準とされている。 雄の尾羽が雌性羽ではない場合、尾が褐色の内種は完成していない。 桜碁石のように雄も雌性羽の場合は、すでに完成している。 矮鶏の冠は単冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色、脚は匍匐性短脚が多い。 全日鶏では「チャボ」と呼ばれる事も有る。

Q軍鶏の特徴
A軍鶏は昭和16年8月1日に天然記念物に指定された。 闘争心が強いのが特徴である。 雌でも一緒に出来ない(同じ場所で飼養出来ない)場合が多い。 シャムの国(タイ)から入ったと考えられている。 世界中に軍鶏に似たタイプの鶏は多い。 「赤笹種、黄笹種、白笹種、猩々種、碁石種、油種、白色種、浅黄種、黒色種」が標準とされているが、各内種の交雑種が多い。 闘争技能中心に考えて繁殖される事が多い。 油種はe+,Ml,Pgがリンクして出来た羽装と考えられ、これからPgがとれpgになった羽装が声良鶏のものである。 油の雌は全身2重覆輪の美しい羽装をしている。 軍鶏の冠は三枚冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色が多い。 肉髯(にくぜん)は退化して小さいものが多い。 最も小型のちび軍鶏から巨大型の巨大軍鶏まで大きさの変異に富む。 1Kg以下から8Kgまでの範囲である。 巨大軍鶏は全世界で一番背が高いと考えられる。

Q小国鶏の特徴
A小国鶏は昭和16年1月27日に天然記念物に指定された。 尾や蓑羽が長いのが特徴である。 但し、オナガドリのように伸びつづけるわけでは無く、毎年換羽する中型鶏である。 昔から飼養され、各種日本鶏の基となった品種と考えられている。 「五色種、白藤種、白色種」が標準とされているが、「五色種」は「赤笹+ig」か否か不明。 現在では「白藤の変化」と考えられている。 冠は単冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色が多い。 京都府、滋賀県のものが有名である。 外国のフェニックスは本種に似ているが、皮膚色が異なり、黄笹のものも存在する。 ヨコハマと呼ばれる外国の品種は源平に似た配色で胡桃冠または三枚冠である。 全日鶏では単に「小国」と呼ばれることもある。

Q地鶏の特徴
A地鶏は昭和16年1月27日に天然記念物に指定された。 野生色を残すものとして登録されたが、私は家鶏の特徴が濃く出ていると感じている。 土佐の小地鶏は小型鶏、伊勢の猩々地鶏と岐阜の赤笹地鶏は中型鶏である。 最近、地鶏ブームで各地で地鶏」が増えている。 「赤笹、黄笹、猩々」が標準とされているが、最近「白色種」が出てきた。 私はこの3種の内では黄笹の鶏は見たことが無い。 「白笹」の地鶏には「疑問」が多い。 冠は単冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色が多い。 高地県、三重県、岐阜県が原産地とされ、それぞれのタイプは異なる。 全日鶏では「小地鶏、猩々地鶏、岐阜地鶏」と呼ばれることもある。

Q蓑曳鶏の特徴
A蓑曳鶏は昭和15年8月30日に天然記念物に指定された。 尾と蓑羽が長く、特に蓑羽が地に曳く姿が特徴の、日本鶏では珍しい胡桃冠(杯状冠)の中型鶏である。 二次対戦後形質が劣化したが故村松弥幸さんらの努力により復元した。 「赤笹種、黄笹種、猩々種、五色種、白笹種、白色種」の羽色を持つとされているが「黄笹種」は見たことが無い。 脇蓑と呼ばれる羽毛を生ずると云われているが有る個体と無い個体がある。 冠は胡桃冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色が多い。 静岡県と愛知県が原産地とされ、それぞれのタイプは異なる。 全日鶏では単に蓑曳と呼ばれることもある。

Q蜀鶏の特徴
A蜀鶏は昭和14年9月7日に天然記念物に指定された。 トキの声が長く、6節の節をきちんと付けるのが特徴の大型鶏である。 中国の狼山鶏(ランシャン)が原産とされる意見が多いが、真偽は定かでない。 「真黒」(ほんぐろ)と呼ばれている「黒色」の羽色を持つ。 狼山鶏やオーストラロープを用い体駆の大型化を図ったという説が有る。 また黒柏鶏を交配し冠の黒色化を図ったという説も有る。 いづれにしても1時長鳴性が失われ、5〜6秒程度になった時期がある。 雛は黒い羽毛と白い羽毛がある。 平成になって、「20秒」を超える鶏が作られた。 私の恩師で有り蜀鶏の天然記念物指定に努力した、故藤澤法龍先生の前で鳴いて見せた。 ビデオに記録されている鳴き声ではこれが最長である(22秒程) 長さの記録は「26秒」というのもある。 耳朶は赤、皮膚色は白色が多い。 全日鶏では唐丸と呼ばれることもある。 現在、黒色種と白色種(劣性白)が標準とされている。

Q声良鶏の特徴
A声良鶏は昭和12年12月21日に天然記念物に指定された。 トキの声が長く、低音(世界中のすべての品種中一番低いと考えられる)が特徴の大型鶏である。 軍鶏を少し毛深くしたような風貌を持ち、青森では「蒲毛」と呼ばれている「五色」型の羽色を持つ。 雌はe+とMlの影響で覆輪を持つ羽が特徴である。 かって、ブラマの交雑を云々された品種であるが、交雑を示す要素は少ない。 また、ブラマの頭の容積よりずっと大きい頭を持つ。 せいぜい雛に脚毛の痕跡がある程度。 過去に他の品種が交配され系統が作られたが、こんな系統が海外に出回ったようだ。 平成になって、世界記録集に登録され「23.6秒」がトキの声の長さの世界記録である。 この鶏は長さだけでなく声質も優れていた。 兄弟鶏はその年の声質優勝鶏であり、この鶏も3位であった。 実際長さの記録は「28秒」というのもある。 耳朶は赤、皮膚色は黄色が多い。 全日鶏では単に声良と呼ばれることもある。

Q蓑曳矮鶏の特徴
A蓑曳矮鶏は昭和12年6月15日に天然記念物に指定された。 尾や蓑羽が長いのが特徴の小型鶏である。 東天紅鶏または赤笹オナガドリを小型にしたような風貌を持つ。 但し、キャベツの様によく左右に開いた尾が特徴的。 過去にオナガドリが交配され尾が長く伸びるようになった系統が品評会の上位を占める事が多い。 平成になって、赤笹、白藤の他に白色(劣性白と思われる)が作られた。 耳朶は白、脚は柳が多い。 チャボのように短脚のものが存在する。(蓑羽が地を曳くので喜ばれている) 全日鶏では尾曳と呼ばれることもある。

Q鶉矮鶏の特徴
A昭和12年6月15日に天然記念物に指定された。 尾や尾骨が無いのが特徴である。 「尾骨欠如」の遺伝子は不完全優性なので簡単に他の鶏の遺伝子を採りこめる。 そのため、赤笹、白、碁石、三色碁石、黒のほかに白笹、銀笹、金笹、翁などが作られている。 外国にもこのタイプのバンタムや青玉鶏は多い。 鶉矮鶏は耳朶は白く、脚は黄色のものが多い。 全日鶏では鶉尾と呼ばれることもある。

Q東天紅鶏の特徴
A東天紅鶏はオナガドリと似た鶏。 赤笹のオナガドリの先祖とも云われている。 長鳴き鶏で最長は31秒程。 鳴き声は「ソプラノ」で、「追分節の哀愁」があると云われている。 昭和の終わり頃から20秒を越える個体が飼育者の努力により、見られるようになった。 音色(おんしょく)と音量(おんりょう=長さ)の良いものをつくる努力が続いている。 昭和11年9月3日に天然記念物に指定された。

Q土佐のオナガドリの特徴
A土佐のオナガドリは特別天然記念物に指定されている。 大正12年3月7日に天然記念物、昭和27年3月27日に特別天然記念物に指定された。 現在、国内では白藤、赤笹、白色(劣性白によるもの)の3内種とされている。 外国には黄笹(ig/igによるもの)も存在するようだ。 耳朶が白く産卵性も比較的よいので白色レグホーンの関与が感じられる。 脚は柳とそれが劣性白の遺伝子により黄色に変わったものとやはり劣性の遺伝子により黄色になるものがある。 特に後者の系統は蓑羽が豊富であると喜ばれる。 「止め箱」と呼ばれる木の箱に飼われ、尾を伸ばすことが行われている。 (とめこ)と原産地高知県では呼ばれている。

Qトリインフルエンザの対処
Aトリインフルエンザに感染すると日本国内では対処なし。 抗体価が上がっただけでも殺処分される。 安易に他人の鶏に近寄らないことが大切。 品評会など他の鶏に接する場合は特に注意が必要。 日本国内ではワクチンが不許可。

Q近親交配について
A大型鶏が小型化する原因の多くが近親交配。 選抜による努力よりも異系導入のほうが効果が上がりやすい。 近親交配については人間の近親結婚に順ずる。

Q外部寄生虫の対策
A回虫と条虫は別の駆虫薬を使用する。

Q床処理について
A抜け落ちた羽根を熊手でかき寄せて、固まった糞もかき寄せる。 篩を使う場合がある。 放飼場に生えた雑草を抜く場合もある。

Qネズミの退治
A人間に聞こえない音波を出す機械を使用すると良い。

Q疥癬の対処法
A疥癬の場合ダニに寄生されてなるので、スプレー式殺虫剤または流動パラフィンに殺虫剤を溶かしたタイプで寄生個所を消毒する。

Qデンプン(無洗米の製造で出た副産物)の使用方法
A配合飼料に半量まで混ぜても大丈夫。

Q翼帯の移動時期
A翼帯の移動時期は、品種(成長度合い)によって異なる。 基本は巻いてある状態が脚に食い込まない内でなるべく大きい時。 2〜4週間で翼に付け替える事が多い。

Q翼帯(番号入り)の入手先
A県や大学の畜産を行っている所にたずねる。

Qニューカッスル病
Aニューカッスル病にも色々な株が有る。 実際に発症しているのは殆どが愛玩鶏である。 生ワクチンは効果が薄いとの報告もある。

Q鶏痘のワクチンについて
A鶏痘のワクチンは安い(1,000円以下の場合が多い)。 他の鶏に接触し発病する機会は遥かに愛玩鶏の方が高い。 鶏痘は眼にウィルスが入ると失明しやすいので、ワクチンを実施するほうが良い

Q養鶏関係の書籍
A養鶏関係の本に「養鶏ハンドブック」が販売(2004年)されている。 株式会社 養賢堂 で出していて、定価6180円(2004年)。 ISBN4-8425-0274-6 C3061。 様々な内容を含み、鶏を飼う参考になる。

Q転卵
A転卵は100回程でピークだが、3回との差はわずかである。

Q孵卵中の湿度
A乾燥しすぎないようにする。 余り、神経質になる必要は無い。

Q餌付け時間
A最近のブロイラーを用いた研究では「早ければ早いほうが上」。

Q冬の管理
A冬は相当のストレスがかかり水もなかなか飲めないので、斃死する個体がふえる。 水を切らさない様にする。

Q繁殖時期
A冬至を過ぎると、繁殖シーズン。

Q攻撃性
A攻撃性は優性の遺伝をし易い。 基本は雄を先にメンテナンスすること。

Q無尾2
Aインギー鶏はロードアイランドレッドの尾を少なくしたような形態をしている。 無尾鶏でも遺伝様式は鶉尾や外国のランプレス、アロウカナス等と異なる。

Qブラマの成熟
Aブラマはとても晩熟なので、初鳴きは遅い。

Qアルビノ
Aアルビノとピンクアイはにている。 劣性白とアルビノは別。

Q優性白
A優性白は白色レグホーン種が持つことで有名だが、日本鶏にも有る。 古くは、蜀鶏の白色(劣性白)を復元しようとした際、優性白にした例が有る。 肥後ちゃぼに白色レグホーン種の優性白を取り入れている。 薄毛猩々や金鈴波に優性白が関与しているのではないかという説がある。

Q劣性白
A大抵の品種が劣性白(cと現す)の遺伝子を持っている。 劣性なので、普段は隠れている場合が多く、たまに2つ揃った時に白くなる。

Q鶏冠の遺伝
A単冠はr/r,p/pで、劣性。 三枚冠はr/r,P/Pで、単冠に対して優性。 烏骨鶏などのクルミ冠はR/R,P/Pで現され三枚冠、バラ冠、単冠に対して優性。 三枚冠と単冠の交配では、元が固定されている場合は全部三枚冠に成る。 孫では3:1の割合に三枚冠と単冠が分離する。

Qブラマの雌雄鑑別
A雄が丸羽の期間が長い場合が有り、冠の伸長が遅いので難しい。

Qだいぎり軍鶏のトサカ
A単冠の軍鶏 トサカが違うだけで他の形質は同じもの。 また三枚冠を交配すると仔の代では三枚冠、孫の代で冠は分離する。

Q短脚種の繁殖
A日本鶏で短脚のものは、地頭鶏、地スリ、宮地鶏、チャボなど。 短脚同士の交配の場合、死に篭り卵が25%の割合。 短脚のホモで死に篭る(CR/CR)。 ヘテロは残りの卵の2/3(CR/cr)。 保存を行なっていく為人工授精も有効。

Q声良鶏の繁殖について
声良鶏の繁殖は難しい。 青森県では「手付け交配」といって人間が交尾を手伝って繁殖する。 「人工受精」をする場合もある。

Qしもやけ対策
A寄生虫の駆除も重要なポイント。 外部寄生虫にも気を付ける。 コクシジウムの対策もきちんとする。 慢性呼吸器病を防ぐ。 唐辛子を与える、ニラを与える、ニンニクを与える。 鶏の鶏冠が凍ったり、黒ずんだとき、湯で洗う。

Q頭骨隆起
A最近の品評会では頭骨隆起の鶏が上位に行きやすい。 良く言えば頭骨隆起だが「脳ヘルニア」と呼ばれる場合も有り、海外のシルキー愛好者の間では癲癇の原因とされている。 頭骨隆起雌は朝5時に産卵をする場合がある。 産卵性が高い傾向がある。

Q真黒について
A羽色で「真黒」というのが、チャボと蜀鶏(唐丸)にある。 読み方がそれぞれ異なりチャボでは「しんくろ」、蜀鶏では「ほんぐろ」と読む。

Q大雛の風邪について
A寒さに馴れてない大雛が風邪をひいて鼻水やくしゃみが出ている場合、タイロシンをやればよい。 タイロシンに対生が生じ、効果が少ない場合他の抗生剤を使用してみる。 ウィルス性の風邪の場合は抗生剤は効果が無い。

Q東天紅鶏の声の長さ
A東天紅の声の長さは遺伝で決まる。 満1歳未満でベストの長さになる個体もいれば、古くなってから声が伸びる個体もいる。 声が長い親からは長い仔が生まれやすい傾向。 雌が「ゴォ−」と鳴く性質は東天紅鶏だけでなく、すべての長鳴鶏に共通。

Q完全配合飼料について
A完全配合飼料の優れた点は色々な成分がほぼ均等に入っていること。 一般の方はこの飼料だけで充分。

Qミネラルについて
Aミネラルのサプリメントはペットショップなどで販売されている。 場合によって、爬虫類用を用いる場合もある。 ビタミンDは人間用のD2は使えないのでD3を使う。 人間用のビタミンドリンクを使う場合もある。 産卵中の鶏ならカルシウムの濃度が濃くなっています。 一般の完全配合飼料は実養鶏の産卵中のものに合わせて設計して有る。毎日、大きい卵を生んでいるような場合のみカルシウムが不足する。 日本鶏の場合は卵も小さく、産卵性もそう高くないので不足は稀。 一部外国鶏などでは高産卵なので注意が必要。 そんな風に考えて、必要なミネラルが不足しない様に気を付ける。

Qカロリーについて
A実用養鶏で冬場はオイル添加してカロリーアップを図る事が流行った。 日本鶏の場合、食下量が大きく変化しなければ半量(体積)まで他の糟糠類を安全配合飼料に添加しても大丈夫。 ただし、気を付けないと摂取量が減り、甚だしい場合は衰弱する場合が有る。

Qすずめについて
Aすずめが入らないように小屋に小さい網も張る。 ウィルスや寄生虫および原虫などのキャリアになる可能性がある。

Q食卵癖について
A食卵癖は結構普通に見られる現象。 一度癖が付くとなかなか直らない。 カルシウムを与えても全く直らない場合が多い。 揮発性の物質(チューブ入り練りカラシ、歯磨きなど)を卵黄の代わりに卵殻に詰めて食べさせると効果が有る。 辛いもの事体は鶏が好む 揮発性のある物質(特に練りカラシは色も卵黄に似ている)がポイント。 与えると頭を振る動作が見られ治る場合が多い。 この方法は、故藤澤法龍先生が発見した。

Q猫の被害について
A猫は品評会用の金網を飛び越えて、仮に高さ2mでも飛び上がる。

Qキツネの被害と対策
Aキツネが襲撃する場合、小屋の周りを品評会用の籠をばらした金網などで張る。
 犬を飼って、防御する範囲に繋ぐ。

Q雑種と交配種との違い
Aその交配について遺伝的な背景を知っていれば交配種、そうでなければ雑種。

Q巨大軍鶏の最大の大きさ
A95cm位の背の高さ、重さでは7.5Kg程度。

Q東天紅の声の長さ
A31秒が最長。

Q戻し交配とは
A出来た仔に再び親や同一品種を交配し系統を固定する。