品種




国の天然記念物指定鶏
土佐のオナガドリ


土佐のオナガドリは特別天然記念物に指定されています。
大正12年3月7日に天然記念物、
昭和27年3月27日に特別天然記念物に指定されました。
白藤、赤笹、白色(劣性白によるもの)の3内種とされています。
耳朶が白く産卵性も比較的よいので地中海沿岸種(白色レグホーンなど)の関与が感じられます。
脚は柳(鉛)とそれが劣性白の遺伝子により黄色(白)に変わったものと
脚色に関する劣性の遺伝子により黄色になるものがあります。
「止め箱」と呼ばれる木の箱に飼われ、尾を伸ばすことが行われています。
(とめこ)と原産地高知県では呼ばれています。

写真は建治旅館 荒井さんから借用しました。

東天紅鶏


東天紅鶏は昭和11年9月3日に天然記念物に指定されました。
「とうてんこうけい」と呼ばれます。
オナガドリと似た鶏です。
赤笹のオナガドリの先祖とも云われています。
長鳴き鶏ですが最長は31秒程です。
鳴き声は「ソプラノ」で、「追分節の哀愁」があると云われています。

写真は建治旅館 荒井さんから借用しました。

鶉矮鶏


鶉矮鶏は昭和12年6月15日に天然記念物に指定されました。
「うずらちゃぼ」と呼ばれます。
尾や尾骨が無いのが特徴です。
「尾骨欠如」の遺伝子は優性なので簡単に他の鶏の遺伝子を採りこめます。
そのため、赤笹、白、碁石、三色碁石、黒のほかに白笹、銀笹、金笹、翁などが作られています。
外国にもこのタイプのバンタムや青玉鶏は多いです。
鶉矮鶏は耳朶は白く、脚は黄色のものが多いです。

蓑曳矮鶏


蓑曳矮鶏は昭和12年6月15日に天然記念物に指定されました。
「みのひきちゃぼ」と呼ばれます。
尾や蓑羽が長いのが特徴の小型鶏です。
東天紅鶏または赤笹オナガドリを小型にしたような風貌を持ちます。
但し、キャベツの様によく左右に開いた尾が特徴的です。
過去にオナガドリが交配され尾が長く伸びるようになった系統が品評会の上位を占める事が多いようです。
平成になって、赤笹、白藤の他に白色(劣性白)が作られました。
耳朶は白、脚は柳が多いです。
矮鶏のように短脚のものが存在します。
(蓑羽が地を曳くので喜ばれています)

声良鶏


声良鶏は昭和12年12月21日に天然記念物に指定されました。
「こえよしどり」と呼ばれます。
トキの声が長く、低音(世界中のすべての品種中一番低いと考えられます)が特徴の大型鶏です。
軍鶏を少し毛深くしたような風貌を持ちます。
青森では「蒲毛」と呼ばれている「五色」型の羽色を持ちます。
雌はe+とMlの影響で覆輪を持つ羽が特徴です。
かってこの覆輪のためか、ブラマの交雑を云々された品種ですが、交雑を示す要素は少ないようです。
また、ブラマの頭の容積よりずっと大きい頭を持ちます。
せいぜい雛に脚毛の痕跡がある程度です。
過去に他の品種が交配され系統が作られましたが、こんな系統が海外に出回ったようです。
現在は本場の系統も多くなりました。
平成になって、世界記録集に登録され「23.6秒」がトキの声の長さの世界記録です。
この鶏は長さだけでなく声質も優れていました。
兄弟鶏はその年の声質優勝鶏であり、この鶏も3位でした。
実際長さの記録は「28秒」というのもあります。
耳朶は赤、皮膚色は黄色が多いです。


蜀鶏


蜀鶏は昭和14年9月7日に天然記念物に指定されました。
「とうまる」と呼ばれます。
トキの声が長く、6節の節をきちんと付けるのが特徴の大型鶏です。
中国の狼山鶏(ランシャン)が原産とされる意見が多いが、真偽は定かでありません。
「真黒」(ほんぐろ)と呼ばれている「黒色」の羽色を持ちます。
狼山鶏やオーストラロープを用い体駆の大型化を図ったという説があります。
また黒柏鶏を交配し冠の黒色化を図ったという説もあります。
いづれにしても1時長鳴性が失われ、5〜6秒程度になった時期があります。
雛は黒い羽毛と白い羽毛の部分に分かれます。
平成になって、「20秒」を超える鶏が作られました。
蜀鶏の天然記念物指定に努力された、故藤澤法龍先生の前で鳴いて見せました。
ビデオに記録されている鳴き声ではこれが最長です(22秒程)
長さの記録は「26秒」というのもあります。
耳朶は赤、皮膚色は白色が多いです。
現在、黒色種と白色種(劣性白)が標準とされています。

蓑曳鶏


蓑曳鶏は昭和15年8月30日に天然記念物に指定されました。
「みのひきどり」と呼ばれます。
尾と蓑羽が長く、特に蓑羽が地に曳く姿が特徴の、日本鶏では珍しい胡桃冠(杯状冠)の中型鶏です。
二次対戦後形質が劣化したが故村松弥幸さんらの努力により復元しました。 「赤笹種、黄笹種、猩々種、五色種、白笹種、白色種」の羽色を持つとされていますが「黄笹種」はないようです。
脇蓑と呼ばれる羽毛を生ずると云われているが、有る個体と無い個体があります。 冠は胡桃冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色が多いです。 静岡県と愛知県が原産地とされ、それぞれのタイプは異なります。

地鶏


地鶏は昭和16年1月27日に天然記念物に指定されました。
「じどり」と呼ばれます。
野生色を残すものとして登録されましたが、家鶏の特徴も出ています。
土佐の小地鶏は小型鶏、伊勢の猩々地鶏と岐阜の赤笹地鶏は中型鶏です。
「赤笹、黄笹、猩々」が標準とされているが、最近「白色種」「白笹」が出てきました。 「白笹」「黄笹」の地鶏には「疑問」が多いです。
冠は単冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色が多いです。
高地県、三重県、岐阜県が原産地とされ、それぞれのタイプは異なります。

小国鶏


小国鶏は昭和16年1月27日に天然記念物に指定されました。
「しょうこくけい」と呼ばれます。
尾や蓑羽が長いのが特徴です。
但し、オナガドリのように伸びつづけるわけでは無く、毎年換羽する中型鶏です。
昔から飼養され、各種日本鶏の基となった品種と考えられています。
「五色種、白藤種、白色種」が標準とされていますが、「五色種」は「赤笹+ig」か否か不明。現在では「白藤の変化」と考えられています。
冠は単冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色が多いです。
京都府、滋賀県のものが有名です。
外国のフェニックスは本種に似ていますが、皮膚色が異なり、黄笹のものも存在します。
ヨコハマと呼ばれる外国の品種は源平に似た配色で胡桃冠または三枚冠で、蓑曳鶏に似たところもあります。

軍鶏


軍鶏は昭和16年8月1日に天然記念物に指定されました。
「しゃも」と呼ばれます。
闘争心が強いのが特徴です。
雌でも同じ場所で飼養出来ない場合が多いです。
シャムの国(タイ)から入ったと考えられています。
世界中に軍鶏に似たタイプの鶏は多いです。
「赤笹種、黄笹種、白笹種、猩々種、碁石種、油種、白色種、浅黄種、黒色種」が標準とされていますが、各内種の交雑種が多いです。
闘争技能中心に考えて繁殖される事が多いです。
油種はe+,Ml,Pgの遺伝子で出来た羽装と考えられます、今後の確認が求められます。
油の雌は2重覆輪の美しい羽装をしています。
軍鶏の冠は三枚冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色が多いです。
肉髯(にくぜん)は退化して小さいものが多いです。
最も小型のちび軍鶏から巨大型の巨大軍鶏まで大きさの変異に富みます。
1Kg以下から8Kgまでの範囲です。
巨大軍鶏は全世界で一番背が高いと考えられます。

矮鶏


矮鶏は昭和16年8月1日に天然記念物に指定されました。
「ちゃぼ」と呼ばれます。
小型、短脚そして尾が高く持ちあがっているのが特徴です。
世界中に矮鶏に似たタイプの鶏は少ないです。
マレーシアの「Serama」は短脚で無い点を除けば矮鶏に似ています。
但し、この品種は小さいことが特徴であり、恐らく世界で一番小さい品種と思われます。
矮鶏も「一升マスに3羽番」と云われて小型である事が重視された時代もありましが、今は体形、羽色が重視されています。
「Serama」に倣い、バンタム遺伝子を組合わせれば小型の個体が得られます。
「白色種、黒色種、真黒種(しんくろしゅ)、黄笹種、浅黄種、薄毛猩々種、桂種、猩々種、加比丹猩々種、碁石種、桜碁石種、三色碁石種、銀鈴波種、金鈴波種、源平種、鞍掛源平種、金笹種、銀笹種、白笹種、赤笹種、黄笹種、糸毛種、翁種、大冠種、達磨種」などが標準とされています。
雄の尾羽が雌性羽ではない場合、尾が褐色の内種は完成していません。
桜碁石のように雄も雌性羽の場合は、すでに完成しています。
矮鶏の冠は単冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色、脚は匍匐性短脚が多い。

比内鶏


比内鶏は昭和17年7月21日に天然記念物に指定されました。
「ひないどり」と呼ばれます。
肉質が良いのが特徴です。
雉や山鳥のように脂肪が細かいと云われています。
肉は名物料理「キリタンポ鍋」の材料に使われます。
ロードアイランドレッドと交配されて肉用に使われることが多いです。
交配していない比内鶏を「原種比内鶏」と呼ぶ人がいますが「俗称」です。
「赤笹種、黄笹種」が標準とされています。
Eシリーズがe+の場合とeyの場合があると考えられます。
おそらく、eyの鶏を黄笹と呼んでいると思わます。
比内鶏の冠は三枚冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色、ももの羽毛は豊富です。

烏骨鶏


烏骨鶏は昭和17年7月21日に天然記念物に指定されました。
「うこっけい」と呼ばれます。
皮膚や冠など黒味が強いのが特徴です。
薬用になるとして飼養される場合があります。
また5本〜6本の指を持つ鶏が多く、珍奇に感ずる遺伝子を集積しています。
現在平成になってから、シルキーと交配されて品評会用に使われることが多いです。
シルキーはヨーロッパに多く見られます。
「中国の烏骨鶏が基となっている」といわれている品種です。
日本鶏に無いラベンダーの遺伝子を持ったり、異なるEシリーズを持っています。
皮膚や冠などが黒色の遺伝子は優性のFmであると考えられています。
ところが、劣性の遺伝子が関与しているようにも見え詳細は不明です。
白色(劣性白)か着色かで皮膚色も変わって来ます。
「白色、黒色」の2内種が標準とされる考え方もあります。
「白色」の地の色(劣性白が作用する前の色)は褐色が多く、着色鶏との交雑の結果「たぬき鶏」と呼ばれる褐色鶏が生まれます。
品評会では劣性白と黒色の交雑鶏から生まれた仔が上位を占める場合が多いです。
烏骨鶏の冠は胡桃冠、耳朶は青、皮膚色は黒色が多いです。

河内奴鶏


河内奴鶏は昭和18年8月24日に天然記念物に指定されました。
「かわちやっこけい」と呼ばれますが、原産地では「こうちやっこけい」と呼ぶ人もいます。
雄の三枚冠が中央だけ大きく伸びているのが特徴です。
作成に外国種のゲームバンタムが使われています。
「絵」にかかれた鶏が基本となりました。
羽色は「五色」が基準です。
特殊な冠が特徴ですが三枚冠に、単冠の鶏がが持つ事が多い冠を伸長させる遺伝子が作用していると思われます。

薩摩鶏


薩摩鶏は昭和18年8月24日に天然記念物に指定されました。
「さつまどり」と呼ばれます。
古くは脚に人工の鉄製のナイフを付け闘鶏に用いられましたが、現在は鑑賞用に飼養される場合が多いです。
昭和の初期に「絵」にかかれた鶏は「五色」のようです。
雌が悲鳴を上げると敵に敢然と立ち向かう姿は薩摩男児の気概に通ずると云われています。
「赤笹種、白笹種、黄笹種、白色種、黒色種」が標準とされています。
黄笹種や黒色種の改良を熱心に行っている飼育者が存在します。
黄笹は標準ではeyだが、e+がこの品種には適しているようです。
薩摩鶏の冠は三枚冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色が多いです。

地頭鶏


地頭鶏は昭和18年8月24日に天然記念物に指定されました。
「じとっこ」と呼ばれます。
肉味が良く、古くは地頭に献上された、匍匐性短脚が特徴の品種です。
最初は単冠で肉髯の系統が多かったですが、現在は三枚冠毛髯の系統が多くなりました。
「白色種、黒色種、猩々種、赤笹種、銀笹種」が標準とされています。
現在見られない内種もあるようなので復元が求められます。
短脚は「致死遺伝子」ですが、短脚そのものは優性ですので取り入れしやすいです。
地頭鶏の冠は三枚冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色が多い。

黒柏鶏


黒柏鶏は昭和26年6月9日に天然記念物に指定されました。
「くろかしわけい」と呼ばれます。
蜀鶏との区別が難しい鶏で、皮膚色が黄色が良い点以外では区別が困難な点が多いです。
謡いの改良を行なう人もいます。
現代の長鳴鶏は20〜30秒鳴いているので追いつくにはかなりの努力が必要です。
「黒色種」が標準とされています。
近縁の種で他の羽色の物も存在しますが「黒柏鶏」とは呼ばないようです。
黒柏鶏の冠は単冠、耳朶は黒、皮膚色は黄色が多いです。



その他の在来鶏など
芝鶏


芝鶏は国の天然記念物指定外です。
「しばっとり」と呼ばれます。
新潟県下に主に飼養されます、羽色がコロンビア斑を持つのが特徴の鶏です。
コロンビア班(Co/Co)以外のEシリーズはe+であると思われますが未定です。
今後の研究が待たれます。
伊勢地鶏に羽色が似ていますが、両方ともEシリーズは不明です。
「猩々種」が標準とされています。
佐渡の髯地鶏と近縁の種か否か興味が持たれますが、双方ともコロンビア班です。
芝鶏の冠は単冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色が多いです。
大きさは岐阜地鶏と大差ありません。

佐渡髯地鶏


佐渡髯地鶏は国の天然記念物指定外です。
「さどひげじ(ぢ)どり」と呼ばれます。
新潟県の佐渡に生息しましたが、現在は各地で飼養されます。
髯のある地鶏です。
芝鶏と同様コロンビア斑を持ちます。
「猩々種」が標準とされています。
佐渡髯地鶏の冠は単冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色が多いです。
大きさは芝鶏と大差ありません。

金八鶏


金八鶏は昭和34年1月7日に秋田県の天然記念物に指定されました。
「きんぱどり」と呼ばれます。
丸羽の小型軍鶏で、羽色が黒色の鶏です。
漣(さざなみ)と呼ばれる碁石風の鶏、白色の鶏も居ます。
碁石矮鶏や白色矮鶏との関係に興味が引かれます。
最近青森県でも改良を行なう飼育者がいます。
秋田県では「黒色種」が標準とされています。
金八鶏の冠は三枚冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色が多いです。

宮地鶏


宮地鶏は天然記念物の指定外です。
「みやじ(ぢ)・どり」と呼ばれます。
作出者の名前をとってこの名前になりました。
匍匐性短脚に特徴が有ります。
高知県が原産地です。
最近(2004年)原産地でも短脚の鶏は少なくなりました。
この品種の特徴でもあるので保存して行きたいです。
「黒色種」が標準とされています。
宮地鶏の冠は単冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色が多いです。
耳朶は高知県原産の鶏らしく、白の場合もあります。

久連子鶏


久連子鶏は昭和40年2月25日に文化財として熊本県の天然記念物に指定されました。
「くれこどり」と呼ばれます。
冠に特徴が有り、他の日本鶏に見られない2本の角状冠・鼻腔隆起を有します。
「シャグマ」と呼ばれる被り物の装飾に尾羽が用いられます。
岐阜県の奥飛騨にも似た風習がありその被り物は「シャガマ」と呼ばれ、軍鶏の尾羽が用いられます。
「平家の落人が広めた踊りに用いる」点が一致しています。
久連子鶏は熊本県が原産地と言われています。
標準では尾羽が60cm以上を希望としているが難しいようです。
蓑曳鶏や小国鶏などの交配が必要かも知れないです。
冠はおそらく蘭鶏と呼ばれたポーリッシュと薩摩鶏が元になっていると思われます。
三枚冠の遺伝子とポーリッシュの持つ遺伝子が合わさるとこの冠になるようです。
他の日本鶏には無い形質です。
「銀笹様」が標準とされています。
久連子鶏の冠は角状冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色が多いです。
いづれにしても日本では他に類を見ない種なので大切にして行きたいです。

雁鶏


雁鶏は天然記念物の指定外です。
「がんどり」と呼ばれます。
匍匐性短脚に特徴が有ります。
秋田県が原産地です。
最近(2004年)でも飼育者は1名だけです。
維持するため苦労を重ねていると推察されます。
「赤笹種」が標準とされています。
それ以外の羽色も多いようです。
比内鶏を短脚にした様に見えます。
雁鶏の冠は三枚冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色が多いです。

名古屋種


名古屋種は天然記念物の指定外です。
「なごやしゅ」と呼ばれます。
コーチンに日本の地鶏を交配して作られたといわれています。
愛知県が原産地です。
「名古屋コーチン」と呼ばれる事があります。
「俗称」であるが結構定着しています。
「バフ種」が標準とされています。
雌の尾羽は褐色に成る事もあるようです。
しかし実際は「猩々」の色彩が薄いタイプです。
「コーチン」由来と思われます。
脚は鉛色で「地鶏」由来と云われています。
地鶏の脚色は標準では黄色ですが鉛色もあります
名古屋種の冠は単冠、耳朶は赤、皮膚色は白色、脚色は鉛色が多いです。

三河種


三河種は天然記念物の指定外です。
「みかわしゅ」と呼ばれる。
外国種を交配して作られたといわれています。
愛知県が原産地です。
薄毛猩々の羽装をしています。
現在(2004年)「薄毛猩々」が乱れている個体が多いです。
「標準」では尾に黒または白を混じえると失格ですが、条件を満たす鶏は少ないでしょう。
三河種の冠は単冠、耳朶は白、皮膚色は黄色です。

土佐九斤


土佐九斤は天然記念物の指定外です。
「とさくきん」と呼ばれます。
コーチンがベースである日本の「エーコク」を基に作られたといわれています。
高知県が原産地です。
猩々の羽装をしています。
「標準」では4500gとされていますが、現在(2004年)その条件を満たす鶏は少ないです。
土佐九斤の冠は単冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色。脚毛は無いです。

熊本種


熊本種は天然記念物の指定外です。
「くまもとしゅ」と呼ばれます。
「エーコク」を基にさらにバフコーチン、白色レグホーン、バフプリマスロック等を交配して作られたといわれています。
熊本県が原産地です。
元は大分県にもいました。
日本鶏には少ない「薄毛猩々」の羽装をしています。
横斑の遺伝子を持つ(金鈴波)鶏もいるようです。
「さくら卵」で有名だったようです。
熊本種の冠は単冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色。 脚毛は無いです。
尾羽は褐色で現在(2004年)他の雌性羽でない日本鶏に無い薄毛猩々です。
チャーン


チャーンは平成3年1月に沖縄県の天然記念物に指定されました。
「スミンザン(吸気での発声)」「フチアギ(吹き上げ)」「クイトウミ(声の引き止め)」「チラシ(最後の一声)」の音節を持つと云われています。
長鳴鶏とは異なるタイプの声楽鶏です。
ウタイチャーン、ウテードゥイとも呼ばれる事があります。
中国から渡来した鶏が基になって作られたといわれています。
沖縄県が原産地です。
種々雑多な羽装をしています。
この品種に似た品種にココ・バレンゲがあります。
ココ・バレンゲはチャーンのチラシにあたる部分を2〜15回繰り返します。
血漿のエステラーゼの型も他の日本鶏と異なる場合があります。
チャーンは毛髯、冠は単冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色が多いです。

インギー鶏


インギー鶏は天然記念物の指定外です。
「鶉矮鶏」とは別の、尾椎はあるが尾羽が退化する遺伝子を持ちます。
体重が雄で3500g、雌で2800gと大型鶏です。
「いんぎーどり」と呼ばれます。
その他単に「いんぎー」とも呼ばれる事があります。
イギリスの船が種子島に難破し、調理用に積んであった鶏が元といわれています。
種子島が原産地です。
インギー鶏の、冠は単冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色が多いです。
羽色は「黒色種」と「猩々種」が標準だそうだですが、ロードアイランドレッドに似た「加比丹猩々種」ではないかと考えます。

上州小シャモ


上州小シャモは群馬県が「吾妻ちゃぼ」の名称で、天然記念物に昭和16年8月1日指定しました。
現在(2004年)復元中です。
「黒色種」と云われているが羽色がヘテロのものが多く満足な黒一色の個体は少ないようです。
赤笹(ey)とのヘテロが多く、Mlも持っていないと考えられ、頚羽に黒色以外に着色する個体が多いようです。
脚も「短脚」か否か決めてなく、今後の努力が必要です。
一度絶種すると復元に多大な努力を要します。
「南京シャモ」と同様「軍鶏」と「矮鶏」の交配により成立した品種と云う人もいます。
天然記念物指定時の名称からして有りそうなことです。
群馬県が原産地です。
上州小シャモの、冠は三枚冠、耳朶は赤、皮膚色は黄色が多いようです。
現在復元過程なのでゴツイ顔の鶏が多くみられるが「サンマ顔」(さんまづら)が良いようです。



野鶏
セイロン野鶏


セイロン野鶏はセイロン島に住む野生の鶏です。
「赤黄色」の羽を持ちます。
「赤黄色」は赤色に黄黒色の縦線と表わされます。
体重が雄で930g、雌で550g。
セイロン野鶏の、冠は単冠で切れこみが浅い、耳朶は赤、脚は黄色で中央縦に赤色です。
肉髯は2枚。
冠の中央に黄色の部分があります。

灰色野鶏


灰色野鶏は西南インドに住む野生の鶏です。
「灰色」の羽を持ちます。
「灰色」は黒色に白色の覆輪を持つためそう見えます。
フライフィシングにその羽が使われています。
特に頚羽は先端に蝋状の飾りがあり使う人が多いようです。
体重が雄で950g、雌で650g。
灰色野鶏の、冠は単冠で切れこみが浅く、耳朶は赤、脚は黄色で中央縦に赤色です。肉髯は2枚。
冠の色は普通の赤。
セイロン野鶏と生息場所が近くその関係に興味が持たれます。
またその色がSによるものか否か興味深いです。

緑襟野鶏


緑襟野鶏はジャバ島などスンダ諸島に住む野生の鶏です。
「あおえりやけい」と呼ばれます。
家鶏または赤色野鶏との交配種が貴ばれ飼育されています。
その音節が短く少ない、特殊な鳴き声を愛でる習慣があるようです。
展示用の籠も立派です。
交配種は「ブキサール」と呼ばれます。
体重が雄で900g、雌で700g。
緑襟野鶏の冠は単冠で切れこみが無く、耳朶は赤、脚は灰色です。
肉髯は1枚。 雄は冠の色は冠基が青です。

赤色野鶏


赤色野鶏はアジアの暖かい地方一体に住む野生の鶏です。
家鶏の先祖と言う意見が多いです。
秋篠宮殿下がDNAを調べて家鶏の先祖と考えています。
家鶏との交配種には繁殖性があります。
羽色も家鶏の赤笹(e+)と同一です。
但し、雌性羽の家鶏と緑襟野鶏との関係や灰色の羽色(Sによるもの)と灰色野鶏との関係など興味は尽きないです。
家鶏と緑襟野鶏との交配種が作られるていることも興味をひきます。
体重が雄で900g、雌で700g。
赤色野鶏の冠は切れこみが家鶏と似ています、耳朶は赤または白および中間と個体により変異に富み、脚は灰色です。
肉髯は2枚。
冠の色は普通の赤です。
かって「土佐地鶏」が似ていると騒がれたことがありますが、皮膚色や尾羽など異なる点が多いようです。
世界にはもっと似ている品種が多く存在します。






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