雄と雌の体格差が大きいなどの理由で 自然交配がうまくいかない時人工授精をします。 ●注意点● メスが産卵前だと危険なので、午後3時以降の実施が望ましい。 午後3時以前に実施する場合は、産卵が終了していること。 | |
器具は1ml〜3ml程度の注射筒にパイプを付けたものです。 パイプは、輸液用のものか、熱帯魚のエアポンプ用のものなどを利用します。 パイプが太い場合、先端の外径が3mm〜5mmになるように 火であぶって引っ張ります。先端はカーブしている方が使いやすいです。 あらかじめ、ピストンを少し引いて空気を入れておくと 注入のときに最後の一滴まで押し出せます。 両手が使えるように、器具を口に咥えます。 | |
左手で雄の両脚を揃えて持ち、右手を竜骨に添えて持ち上げます。 | |
足の間にはさんで保定します。 鶏が落ちなければいいので、あまり強くはさまないで下さい。 | |
鶏の腿の付け根を、手で擦ります。 腰を落すような動作や、総排泄腔をハート型に突き出す動作が起きます。 | |
鶏が反応したら、すかさず右親ゆびの腹と人差し指の内側で 総排泄腔を両側から押し出すようにつまみます。 左手の人差し指で恥骨の間を押すと、総排泄腔が突出しやすくなります。 | |
ゆっくり、つまんだ指に力を入れていきますと、白い精液と透明液が出ます。 器具で、白い精液を吸入します。 | |
雌は太ももの上に載せて保定します。 野球のキャッチャーのようにしゃがんでから 腹が内側にくるような向きで保定します。 | |
左手の手のひらで、尾羽を背中側に押し上げます。 右手の親指先端から人差し指先端までで 大きく「U字」を作ります。 | |
右手の親指先端から人差し指先端までの「U字」が「V字」に なるように腹部を大きく圧迫します。 左手の親指と人差し指で総排泄腔の周囲の皮膚を 上方向に引き上げます。 | |
左手の親指をさらに「くの字」に曲げるて皮膚を引っ張ると 卵管の末端が飛び出します。 総排泄腔の周囲の皮膚をうまく引っ張ることがポイントです。 | |
口にくわえた、器具の先端を突出している卵管末端に挿入します。 深さは、1〜5cm程度です。 さらに深部(卵殻形成部)に注入する場合もありますが 危険を伴います。 | |
器具の先端が卵管の中に入ったら、右手を腹部から放して、 器具のピストンを押し注入します。 精液が真っ白で濃厚であれば一滴でいいのですが 濃度が薄い場合は、多めに注入します。 例えば5羽に授精する場合は、採取した量を5羽で 使いきればいいでしょう。 |